痙攣性発声障害の治療についてⅡ
2013年 01月 16日
当治療室で行っている痙攣性発声障害の治療について、数回に分けてご説明いたします。
当治療室では、
痙攣性発声障害の治療として、現時点で次の四つの方法を柱としています。
①脳脊髄液の還流を整える…クラニオ・セイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)
②筋力のバランスを整える…AK(アプライドキネシオロジー)
③内喉頭筋、外喉頭筋のバランス
④伸筋で声を出す
治療内容は、すべて院長自ら体験し、効果があったと感じているものです。
基本的な考え方としてすべてに共通していることは、神経系の誤作動を正し神経の促通をはかることです。
①クラニオ・セイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)で、脳脊髄液の還流を整える
脳脊髄液は、神経を滋養しており、クラニオ・セイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)は、
神経系、内分泌系など内部環境を整える働きがあります。
脳と脊髄を容れる硬膜管の中の脳脊髄液の流れを、頭蓋骨、仙骨、足などの微妙な動きを指標にみていく治療法です。
詳しくはこちら
実際の方法は、足のわずかな内旋、外旋、頭蓋骨を構成する前頭骨、頭頂骨、側頭骨、蝶形骨、後頭骨、頬骨それぞれの独自の動き、仙骨の微妙な上下動のリズムを指先で感じることと、わずかに動きを大きくする方向に誘導することです。
その過程で、周りの組織は自ら緩んでいきます。
緊張や長い間に出来上がった頭蓋骨や仙骨のゆがみのパターン、硬膜管のねじれを整え、頭蓋底を通る神経や血管の圧迫も少なくします。
外力で緩めるとは違い、自ら緊張を手放していくので、安全で深いリラクゼーションが得られます。
余談ですが、イソップ童話『北風と太陽』にちなみ、私はこれを『太陽療法』と呼んでいます。
他に、この療法は、深いリラクゼーションの中で潜在意識や無意識の身体の使い方に触れることがあるようです。
不思議なことに、私は、トレーニング中に初めてクラニオのリズムが分かったのが、自分の甲状軟骨(声帯を収めている場所)の動きでした。
甲状軟骨が、グーッと上の方に上がっていくのと、反対にグーッと下方に押し付けられる時が交互にめぐってきて、
上へ行くのは、裏声だけで発声していた以前の自分、
下へ行くのは、裏声を封印して地声だけで話している今の自分の感覚で、
その時、直感的に、極端にどっちかに振れる使い方に問題があったのではないかという思いが突き上げてきました。
その体験もあり、
③ボイストレーニングで内喉頭筋、外喉頭筋の促通をはかる。
というのも必要なトレーニングであると感じました。
痙攣性発声障害では、一般的に障害が出ているときの声帯の状態から、『内転性』と『外転性』とその混合型と分類されていますが、外喉頭筋のバランスも重要な要素です。
さらに、首、肩、胸、背中の呼吸に関する筋肉、横隔膜の過緊張なども症状に付随して起こることが多いことから、
その部分に対する治療はもちろん必要ですが、安易にただ外力で緩めるのではなく、
その患者さんの身体の事情に耳を傾けることと、
自らが緊張を手放す方向に持っていくこと(神経の教育)が必要なのではと思います。
そのためには、このクラニオ・セイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)は、有効な治療法であると感じています。
また、過緊張の筋肉には理由があるという点で、
②AKで筋力のバランスをとる
というのも有効な治療法です。
次回は、②のAKについてご説明します。
当治療室では、
痙攣性発声障害の治療として、現時点で次の四つの方法を柱としています。
①脳脊髄液の還流を整える…クラニオ・セイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)
②筋力のバランスを整える…AK(アプライドキネシオロジー)
③内喉頭筋、外喉頭筋のバランス
④伸筋で声を出す
治療内容は、すべて院長自ら体験し、効果があったと感じているものです。
基本的な考え方としてすべてに共通していることは、神経系の誤作動を正し神経の促通をはかることです。
①クラニオ・セイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)で、脳脊髄液の還流を整える
脳脊髄液は、神経を滋養しており、クラニオ・セイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)は、
神経系、内分泌系など内部環境を整える働きがあります。
脳と脊髄を容れる硬膜管の中の脳脊髄液の流れを、頭蓋骨、仙骨、足などの微妙な動きを指標にみていく治療法です。
詳しくはこちら
実際の方法は、足のわずかな内旋、外旋、頭蓋骨を構成する前頭骨、頭頂骨、側頭骨、蝶形骨、後頭骨、頬骨それぞれの独自の動き、仙骨の微妙な上下動のリズムを指先で感じることと、わずかに動きを大きくする方向に誘導することです。
その過程で、周りの組織は自ら緩んでいきます。
緊張や長い間に出来上がった頭蓋骨や仙骨のゆがみのパターン、硬膜管のねじれを整え、頭蓋底を通る神経や血管の圧迫も少なくします。
外力で緩めるとは違い、自ら緊張を手放していくので、安全で深いリラクゼーションが得られます。
余談ですが、イソップ童話『北風と太陽』にちなみ、私はこれを『太陽療法』と呼んでいます。
他に、この療法は、深いリラクゼーションの中で潜在意識や無意識の身体の使い方に触れることがあるようです。
不思議なことに、私は、トレーニング中に初めてクラニオのリズムが分かったのが、自分の甲状軟骨(声帯を収めている場所)の動きでした。
甲状軟骨が、グーッと上の方に上がっていくのと、反対にグーッと下方に押し付けられる時が交互にめぐってきて、
上へ行くのは、裏声だけで発声していた以前の自分、
下へ行くのは、裏声を封印して地声だけで話している今の自分の感覚で、
その時、直感的に、極端にどっちかに振れる使い方に問題があったのではないかという思いが突き上げてきました。
その体験もあり、
③ボイストレーニングで内喉頭筋、外喉頭筋の促通をはかる。
というのも必要なトレーニングであると感じました。
痙攣性発声障害では、一般的に障害が出ているときの声帯の状態から、『内転性』と『外転性』とその混合型と分類されていますが、外喉頭筋のバランスも重要な要素です。
さらに、首、肩、胸、背中の呼吸に関する筋肉、横隔膜の過緊張なども症状に付随して起こることが多いことから、
その部分に対する治療はもちろん必要ですが、安易にただ外力で緩めるのではなく、
その患者さんの身体の事情に耳を傾けることと、
自らが緊張を手放す方向に持っていくこと(神経の教育)が必要なのではと思います。
そのためには、このクラニオ・セイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)は、有効な治療法であると感じています。
また、過緊張の筋肉には理由があるという点で、
②AKで筋力のバランスをとる
というのも有効な治療法です。
次回は、②のAKについてご説明します。
by satomi117h
| 2013-01-16 01:21
| 痙攣性発声障害の治療
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