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北秋田市在住の鍼灸師。治療のこと、田舎暮らしのことなど書いています。コロナ自粛のため東京治療室は閉鎖中。https://www.kurumi-room.com


by satomi117h
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避難生活

東京の知り合いで何人か子供を連れて地方に避難している人がいます。
政府の対応はあてにならないし発表は信じられないので、もう自力で子供を守ると。

実際に行動に移せなくとも、不安な親はたくさんいるんだろうなと心が痛みます。
東京でもそうなのだから、線量の高いところの親御さんにしてみればなおさらです。

先日、夏休みで久々上京した友人とご飯しました。
新築したばかりの家にご主人を残して、京都で娘さんとアパートぐらしだそう。

二重生活で経済的に大変なこと、慣れない土地での生活の大変さ、つい娘とけんかしてしまったり、将来への不安に押しつぶされそうになる…
いろんな思いがあるけど、救いは、子供が転校先の学校に元気に通ってくれていること…そんなことを話していました。

戦時中の疎開というのはあったけど、
それはいずれ終息するという前提があってのこと。
今回はその見通しがたたないというのが、戦時中の疎開と大きく異なる点です。

放射能によっては、半減期が数十年、何万年というものもあるし、どれぐらいの線量でどの程度の健康被害がでるのか明確なことはなに一つわからないのですから。

そして、通常自然界に存在しないものが溢れてしまったということは、今まで経験したことのないリスクと向き合うことになるということです。

正直な気持ち、3.11を境に時代が一つ終わったような気持ちでいます。
日本という国ごと、ぽーんと異次元に放り出されたみたいに。

それでも私は、人間の身体というものは、色々な状況下で生きて行くことに対して、生命体としての逞しさとしたたかさを持っているはず。
そう信じています。
そう信じて治療にあたること。

そしてもう一つ、世の中で起きていることに決して無関心でいないこと。
この二つのことの大切さを噛みしめる昨今です。
by satomi117h | 2011-08-23 17:10 | 今日の治療室くるみ | Comments(0)